(side満奈)

カチカチカチカチ・・・

静まり返った部屋。

時計の秒針の音だけが聞こえた。

「それは・・・酷いね」

やっとの事で千咲が話した。

「うん・・・。有り得ないよ」

菜々子もうんうんと頷いた。

只今女子会中。

玲央の事を話したら、どん引きする2人。

そうなると思ってたよ・・・。

「隼斗くんが怒りそうだね」
「怒りそうじゃなくて、怒ってるのっ!」
「王子様でも、ヤキモチってやくんだね~」

全然王子様じゃないけどね・・・。

玲央の前では俺様モード全開だから。

・・・ん!?

ヤキモチ・・・?

「どうして隼斗がヤキモチやくの?」
「だって・・・幼なじみってさ、一緒にいる時間が長いじゃん。それに隼斗くんは嫉妬してるんじゃないの?」

あぁ・・・。

そうなんだ。

一緒にいる時間がたとえ、玲央より短くてもあたしには隼斗だけなのに・・・。

「満奈ってば大変ね~。何かと事件が起きるから」

あはは・・・。

確かにそうかもね。

でも、今回のは仕事とは関係ないからいいかな。

「でもさ、満奈が動かなきゃいつまでもこのままだよ?何とかしないとね」

菜々子の力強い言葉。

それが何度も、頭の中でリピートする。

「うん・・・。ありがとう」

あたしがピースすると、千咲と菜々子もそれをやってくれる。

「ってか、相葉くん可愛いよね♪私モロタイプなんだけどーっ!」
「えぇ~。そうなんだぁ」

千咲って、玲央みたいな人が好きなんだ。

紹介してあげよっか?

「2人はさ、彼氏いないの?」
「私はいないよ」
「・・・私は、いる・・・よ?」

ふっと思いついた事を質問したら、菜々子から思いがけない言葉が返って来た。

「嘘っ!?誰々?」
「カメラアシスタントの越野さん」
「・・・誰?」
「あぁ~。あの優しそうな人ね!」

あたし知らない・・・。

「優しそうだけど、凄くエロいんだ・・・」
「もうシたの?」
「うん・・・」

顔を赤らめる菜々子が可愛い。

そっか・・・。

恋してる女の子って可愛いんだね♪

あたしは例外だけど。