(side玲央)

「相葉くんっ、おはよぉ♪」
「おはよ~。今日もいい天気だね」

香水臭い女共にニコッと笑うと、うるさい声を出して俺に近寄ってくる。

・・・イライラするんですけど。

俺に触っていい女は満奈だけなの!

そう思いながらも、癒し系男子とニコニコ笑顔と絶やさない。

そんな俺の演技にメロメロ~な女共。

俺ってば、演技上手~♪

俳優になれるんじゃね!?

そんで満奈と共演して・・・。

いろいろと妄想しながら教室に入った。

すると、もう1つの人だかりが目に入る。

流川隼斗の所―――――。

アイツは、満奈の彼氏。

でも俺の嘘を簡単に信じるような、弱っちい奴。

・・・つーかさ。

お前は満奈の何を知ってるんだよ?

俺の方がずーっと満奈と一緒にいるんだぜ。

満奈検定をやったら、俺は確実に満点だな。

・・・満奈も満奈だよ。

何であんな男に身体までやっちゃうんだよ。

しかも、色っぽい身体や声で鳴くし。

どうして満奈の全てを、流川に渡さなきゃいけなかったわけ?

ムカつく・・・。

あんなルックスだけの男より、俺の方が断然いいし~。

おまけに今は2人、顔合わせてないし~。

玲央くんチャンスですっ!

満奈は・・・絶対に手に入れてみせる。

満奈以外、何もいらないから。

「玲央く~ん、今日遊ぼうよぉ」

そんな事考えてたら、谷間丸見えな女が俺の腕に胸を押しつけて来た。

・・・誘ってんの?

悪いけど、満奈以外の誘いにのる気はない。

「遊ぶって、何して遊ぶの?」

きょとん、とした顔で尋ねる。

まぁ、大体予想はついてるけど。

「えぇ~。・・・私と気持ちいい事、しない?」
「う~ん・・・、あっ!バスケでもする?」
「えっ・・・」
「汗かくのって気持ちいいよねぇ~」

ここは、必殺天然で乗り切る。

女は完璧に焦ってる。

俺、満奈にしか興味ないから。