「・・・隼斗さぁ、もっと素直になったら?」
「えっ?」
素直になる・・・?
「それ、どういう事ですか?」
満奈には“好き”とか“愛してる”とか、素直な気持ちをたくさん伝えてきたつもりだけど。
「んー、もっとこう・・・心の奥の気持ちまでさらけ出してみれば?」
心の奥の・・・。
・・・素直な、気持ち。
「それは、今まで一緒にいた時間が長いとか、相葉の方が満奈の事を知ってるとか?」
「そーゆー事。隼斗にしてみればよく考えたな」
「一言余計です」
・・・考えてみれば、そう言うのを満奈に伝えた事はない。
互いに、互いを分かりあえてると思ったから・・・。
やっぱり、自分の想い、気持ちは言葉で伝えなきゃダメだよな。
俺、相葉にヤキモチやいてた・・・?
「SuperStarさーん!そろそろ撮影再開しまーす」
ぼんやり考えてる途中、遠くでスタッフのそんな声が聞こえた。
「仲直りしたらちゃんと報告する事」
それを聞いた准が、立ち上がって俺にそう言った。
「ねーねーっ!准と隼斗、何話してたの?」
「あっ?・・・男同士の秘密」
「俺も男だよ!ねー、教えてよ~」
「うるさいよ?太陽くん♪」
「しゅみましぇん・・・」
「で?何の話なの?」
蛍の腕が肩に回された。
重いし・・・。
太陽はうるせぇし・・・。
愛地は相変わらずだけど。
一瞬、准と目が合った。
“言わないでやるよ。肉奢れ”
“・・・また後で”
“一番高い肉食わせろよ”
口パクでの会話。
肉かぁ・・・。
アイツ大食いなんだよな。
俺の金が・・・。
まぁ、いいか。
いろいろと助けてもらったし。
准には感謝です。
「・・・男同士の秘密です」
蛍に向かって微笑んだ。

