・・・のど乾いた。

そう感じたあたしは、ベットから起き上がる。

2時半かぁ・・・。

眠い目をこすりながらリビングに向かった。

冷蔵庫を開け、水のペットボトルを取り出した。

それをごくごくと飲む。

乾いた喉に、水の冷たさが気持ちよかった。

また冷蔵庫にしまい、部屋に戻ろうとした。

・・・その時。

「・・・満奈」

暗闇で、あたしを呼ぶ声が聞こえた。

ビクッと肩を震わせる。

「玲央・・・」

そこにいたのは、愛おしい彼ではなく―――――。

幼なじみの男の子だった。

「どうしたの?」

そこでハッとする。

隼斗に気をつけろって言われてたんだ・・・。

早く部屋戻ろっ。

いそいそと玲央の横を通り過ぎていく。

・・・はずだったのに。

「きゃっ・・・」

手首を掴まれて・・・玲央に抱き締められた・・・。

「ちょっ、玲央!?」
「なぁ・・・俺じゃダメなの?」

この口調・・・。

いつもの天然で空気の読めない玲央じゃない。

こんな玲央、初めて・・・。

「流川じゃないとダメなの?」

悲しげな話声に、何も言えなくなる・・・。

「ねぇ、答えてよ」

ずるいよ、玲央。

あたし、玲央のペースに飲まれちゃいそうになっちゃうじゃん。

「俺は、ずーっと満奈が好きだったんだよ」

これで、3度目の告白・・・。

何故か、今までで1番思いが伝わって来た。

今までで1番、切ない気持ちになった。

ダメ・・・。

あたしには隼斗がいるの。

不意に、肩に何か温かいモノを感じた。

その正体はすぐに分かった。

それは、玲央の涙―――――。