この人も“はやと”って言うんだ・・・。

・・・ってか!

「告白・・・ですか!?」
「はい!僕と付き合ってくれませんか!?」

つっ、付き合うぅ~?

それはちょっと・・・無理。

ちょっとって言うか、無理ですね。

同じ“はやと”でも、あたしは・・・。

「ごめんなさい。あたし、今は誰とも付き合う気はないんです」
「そっか・・・」

流川隼斗の方が好き。

SuperStarの流川隼斗も好きだけど、あたしは“ただの流川隼斗”が大好きなの。

誰とも付き合う気はないって言うのは嘘だけど・・・。

「でも、勇人さんの気持ちは嬉しいです。ありがとうございます」

笑いかけると、勇人さんの顔は真っ赤になった。

「僕っ・・・Rainbowも満奈ちゃんも応援してるから!」

そう言って、勇人さんはどこかに走っていった。

「おいっ!待てよ勇人!」

2人が後から追いかける。

あたしはその様子を黙って見つめてた。

そしたら、

「満奈~っ!」
「きゃあーっ!Rainbow5人揃ったわ!」
「写メ写メ!」

あたしを呼ぶ声と、黄色い声が聞こえた。

聞こえた方向を向くと、ちいちゃんとキッズと華歩と真琴、それとRainbowのファンらしき男女50人近くが4人の後ろにいた。

「はい!これあげる」
「私のも~」

ちぃちゃんとキッズに、手の平に何かを渡された。

手の平を見ると、茶色のボタンが2つあった。

「サイン入りだから、大事にしてよ?」
「私ももらったよ。真琴も」
「ありがとう。大事に飾っとくね」

2つのソレを、制服のポケットに閉まった。

「ちひろ!5人並んでるとこ撮らせて~」
「いいよ~。あっ、私のケータイでも撮ってくれる?」
「OK~♪」
「じゃあ並ぼ!」

5人、桜の木の前に並んだ。

なんか・・・撮影みたい。

その後、ちぃちゃんがあたし達のケータイに撮ってもらった写メを送ってくれた。

大事にしよう。

写メも、ボタンも―――――。