卒業式も終わり、校庭では卒業生と在校生が入り混じっている。

「准様~、寂しいです~」
「愛地くん、電話ちょうだい?」
「きゃあ~!ちひろ様ぁ!」
「絆ちゃんは私の憧れです!」

その中でも、4人への歓声が多かった。

「満奈、行かなくていいの?」

あたしは千咲と菜々子と一緒にいる。

「うん。だってあの子たちは今が最後だから」
「自分はメンバーだもんね」
「特権だよ」

あははっ、と笑い合う。

「あのっ、Chisaちゃん!一緒に写真撮ってくれませんか?」

そこへ、胸に花をつけた男子がやって来た。

千咲のファンの人かな?

「いいですよ♪」
「俺もChisaちゃんと撮りたい!」
「俺はNanaちゃん!」
「私ですか?」

2人はたくさんの男子に連れて行かれ、あたしは1人になった。

校庭にある1本の木に背中を預けた。

ガヤガヤとしている辺り。

サアアッっと風が吹いた。

「隼斗く~ん!写真撮ろ?」
「はい♪」

50メートルぐらい先に隼斗を見つける。

顔も知らない人と写真と撮ってた。

「満奈ちゃん!」

ボーっとしてたら、目の前に1人の男子が現れた。

この人も卒業生か。

「はい。何ですか?」
「さっ・・・サインください!」
「ええっ!?あたしのでいいんですか?」
「うん。俺、満奈ちゃんの大ファンなんだ」

差し出された色紙にサインする。

サインなんて初めてなんだけど・・・。

「ありがとう!これからも応援してるよ」
「ありがとうございます」

ぺこりと頭を下げると、その人はどこかに去っていった。

すると今度は、男子3人組があたしの所に来た。

「まっ・・・満奈ちゃん!」

そのうちの1人、ちょっとぽっちゃりしてる人が話しだした。

「僕・・・満奈ちゃんが好きなんです!」
「・・・えっ!?」
「ヒューッ!いいぞ勇人!」