兄貴達と別れて、2人でデパート内を歩く。

「わぁっ・・・あの服可愛い!」

はしゃぐ満奈はマジで可愛い。

「どれ?」
「あれだよ~。欲しいな・・・」

満奈は小走りでその服の元に向かう。

そして自分の前に服をあてた。

「どうかな?」

そう言って微笑む満奈。

―――――ドキッ

息が詰まるかと思った・・・。

笑顔の満奈が、窓から差し込んだ太陽の光でキラキラ輝いている。

似合いすぎだろ・・・。

「いいと思う」
「・・・げっ!超高~い・・・」

アイドルらしかぬ声を出したと思ったら、今度は泣きそうになる。

コロコロ表情が変わって・・・。

忙しい奴だな。

「買ってやるよ」
「えっ?いいの・・・?」
「稼いでるからな~。満奈もだろ?」
「あたしは全然だよ」
「ふーん。まぁいいや」

まず1点ゲット。

隣の満奈は超ご機嫌。

「そんなに嬉しい?」
「うん!だって、隼斗が買ってくれたから♪」
「・・・はっ、単純な奴」
「うるさいなぁ・・・もう」

今度は照れたような仕草。

「可愛い」

一言囁いて、キス。

俺・・・めっちゃ喜んでる。

たった服ひとつ買ってやっただけで、こんなにも喜ぶ満奈が見れた。

そんなに嬉しがるんなら俺、いくらでも買ってやるけど?

「あっ、あの指輪いい~」
「指輪?そんなもんはいらねぇだろ?」
「何で?」

はぁ・・・。

分からない子だね、満奈ちゃんは。

「小指にあるだろ。俺があげたの」
「あっ、確かに」

忘れてたのかよ。

あと、それと・・・。



「もう何年かしたら、もっといいのをお前にやるから」
「隼斗・・・っ!」


だから、指輪は我慢しろ。