「「最初はグーッ!」」

その大きな声に、あたしはガクッと項垂れた。

最後の手段って・・・じゃんけんですか!?

子供だな・・・。

そして、不思議だ。

「「じゃんけんっ!」」

2人はもう一度後ろに手を引く。

あたしはただただ、呆れ顔で勝負の行方を見届けた。

って言うか、あたしを賭けてるのか。

暇な姉弟だなぁ。

「「ポンッ!」」

・・・決まった。

「やったぁー!」

美鈴がパー。

「・・・ちきしょう。満奈は俺のモノなのに・・・」

隼斗がグー。

流川家の長女と次男によるじゃんけん大会は、長女の勝利です。

「満奈!私といろいろ話そうね~」
「はい・・・」

なんだか、美鈴が怖いわ・・・。

そして後ろにも黒い気配を感じるわぁ~。

「姉貴マジムカつく。満奈っ!」
「な・・・」

名前を呼ばれて、振り向いたら。

「・・・んっ・・・」

隼斗にキス、されちゃいました・・・。

「わぁ~お・・・」

美鈴はなんか好奇心の目で見てるし!

もう、マジで最悪だ~・・・。

離れた唇。

でも、隼斗の体温はしっかり残ってる。

「これでも、姉貴の方に行く?」
「えっ・・・」

今の隼斗も、可愛い・・・。

どうしよう・・・。

イチャイチャは別として。

美鈴と話したいし。

隼斗とも一緒にいたいし・・・。

「ダメよ。じゃんけんは私が勝ったんだから」
「ちぇっ。・・・満奈、後でな?」

さすがの俺様も、お姉様には勝てないらしい・・・。

恐るべし流川美鈴。