ガチャ

「ただいま」
「お邪魔します・・・」

玄関まで広い。

なんちゅう金持ちだよ!

まぁ、2人の子供も何気に稼いでるだろうからなぁ。

「お帰り隼斗。ってきゃあ!満奈もいるぅ~」
「姉貴っ!」
「美鈴!・・・うわっと・・・」

美鈴が玄関に走って来た。

そしてすぐさまあたしを抱き締めた。

「会いたかったよ~」
「おい姉貴。今すぐ離れろ」
「あらヤキモチ?・・・ふふっ、い・や・だ♪」
「・・・所詮売れない芸能人の癖に・・・」
「それ関係ないわ。しかも売れてるし!さっ、満奈。こちらへどうぞ~」
「だからっ!俺の満奈だっつーの!」

・・・今の状況。

あたし、隼斗と美鈴の間にいます。

姉弟って仲いいねぇ・・・。

あっ、もちろんあたしと仁菜も仲いいけどね。

腕をぐいぐい引っ張られてるあたし・・・。

痛い・・・。

その時。

「おいおい、美鈴に隼斗。その辺にしてやれ」

低い男の人の声がした。

玄関に現れた、3人の男女。

その方々を見たあたしの第一声。

「かっ、カッコいいし、美人・・・」

隼斗と美鈴の顔立ちの良さは、この2人のいいとこどりしてるからこんなに綺麗なんだ。

もう1人の人はお兄さんかな?

とにかくカッコいいっ!

「ははっ。初めまして、満奈ちゃん。隼斗と美鈴の兄の翔也です」
「父の彰です」
「母の千歳よ。それにしても、ホントに隼斗の彼女なの?」
「隼斗にはもったいないよ~」
「うるせぇよ姉貴」

そこでハッとした。

あっ・・・挨拶しないとっ!

「初めまして!桜井満奈です」
「やだぁ。テレビで見るよりもず~っと可愛いわ」

千歳さんがあたしの事を抱き締めた。

「私、Rainbow大好きなの」
「あっ、ありがとうございます・・・」
「ささっ、馬鹿隼斗はおいて私と美鈴とお話しましょうよ」
「部屋はこっちよ」
「ありがと、美鈴」

美鈴に腕を引かれて、家に上がり階段を上る。

「姉貴!満奈は俺の部屋だぞ」
「何言ってんだ隼斗。大人気アイドルを襲う気か?」
「俺だって、天下のSuperStarのメンバーなんだけど・・・」

隼斗とお父様のそんな会話が聞こえた。