「今までごめんなさい。たくさん嫌がらせをしてしまって・・・」

そう言ってから、あたし達に頭を・・・下げた。

「玲華っ!?」

驚いた加賀谷社長。

しかし、これだけでは済まなかった。




「そして私、加賀谷玲華。本日をもちましてSweetLoveを脱退します。芸能界も引退します」



今まで静かだった報道陣が、再び騒ぎ出す。

「玲華!」
「引退するだけじゃ今までの罪は償えないかもしれない。本当にごめんなさい・・・」
「それは当然よ。謝るだけじゃ済む問題じゃないのよ!?」

口を固く閉ざしてたキッズが言った。

「引退する、なんて逃げてるだけよ。それに、謝ったって過去は戻ってこないの」
「・・・そうよ。貴方やアリアさんの手によって、たくさんの人が傷つけられた。その事実はもう2度と変えられないの」

華歩もキッズの後に続く。

「だから、引退はこちらから拒否させていただくわ」

ちぃちゃんがそう言いきる。

途端に、またザワザワし始める会場内。

「えっ・・・」
「まずは、ファンに謝ってください。Rainbowのファンにも、SweetLoveのファンにも」
「そして、警察に行ってください。今まで自分がしてきた事を全て話してください」
「最後はアイドルを続けてください。それが、貴方のあたし達に対する償いです」
「・・・うっ・・・」

玲華さんは、また泣きだした。

でも表情は晴れ晴れとしていた。

そして―――――。

「アリア、警察に行こう」
「玲華・・・」

アリアさんはなんだか嫌がってたみたいだけど、2人は会場から出ていった。

「加賀谷社長」

その直後、隼斗が加賀谷社長さんを呼んだ。

「うちの母親が、貴方の会社を潰すそうです」
「・・・えっ・・・」
「貴方ももう、終わりですね。もちろん、SweetLoveも」

隼斗が一瞬だけ、妖艶な笑みを浮かべた。

19時39分。

全てが終わった瞬間だった。