黒い封筒の手紙は、毎日の様にあたし達の元に届く。
地味かもしれないけど、精神的ダメージは大きかった。
「ただいま・・・」
「おかえり、満奈」
寮に帰ると、もう何度目か分からないくらいに見る、隼斗の心配そうな顔。
前に1度、「話してみ?」って言われた。
その気遣いが嬉しかった。
でも、これはあたしの問題だから・・・。
「ありがとう、大丈夫だから」と言っておいた。
ここ数日、キスもエッチもしてない・・・。
あたしが全部断っちゃうの。
一緒には寝てるけど・・・。
怖い夢を見そうで、不安でたまらない。
「隼斗、ギューッてして?」
「ん。おいで?」
唯一のコミュニケーションは、ハグだけ。
両手を広げて、あたしを受け止めてくれる。
抱きつくと、優しくて温かい腕に包まれる。
ちょっと安心するんだ。
「満奈・・・」
「何?」
「辛い事があったら俺にも言って?俺、ちょっと寂しいから・・・さ」
「・・・うん」
きっと隼斗は全てを話しても、この腕のように受け止めてくれる。
でも・・・、それって結局甘えてるだけのような気がするの。
関係のない隼斗を巻き込みたくない。
「大丈夫だよ。ありがと・・・」
顔を上げニコッと笑って、隼斗を安心させる。
でも隼斗は・・・。
「・・・無理して笑うな」
再びあたしの顔を胸板に押しつけて、そう言った。
あたしの笑顔・・・。
そんなに無理してる?
自然に笑えてないの?
ごめんね・・・、隼斗。

