絶句した。
黒い便箋。
それに、真っ赤な字で・・・。
“死ね”
“ウザい”
“消えろ、ブス”
あの人達は警察に行ったはず・・・。
じゃあ今度は、また別の人・・・?
「ねぇっ、これ・・・!」
そう言って立ち上がったのは華歩。
顔を上げると、5人全員が同じ黒い封筒と便箋を持っていた。
「これってさ・・・」
「SweetLoveファンの仕業・・・、だよね」
キッズとちぃちゃんがぽつりと呟いた。
今度はファンレターで・・・?
この前のライブの時に比べたらかなりマシだけど。
やっぱ、傷つく。
4人が持ってた手紙にも同じ内容が書かれてた。
「人ってさ、1人だと何にも出来ないよね・・・」
それを見て、キッズが悲しげに笑う。
「なのに、集団になると強くなる。だから人って怖いんだ」
・・・。
キッズの言うとおりかもしれない。
集団だからこそ、人は強くなる。
たとえそれが人として、間違った行動だとしても。
その集団でいる時だけ、“危機感”という言葉を忘れるの。
「酷いよ・・・」
真琴がグシャっと手紙を握りつぶした。
その拳は震えてる。
まるで、やり場のない怒りを抑えるかのように。
「ダメだよ、真琴」
その時、ちぃちゃんが真琴の頬を両手で挟んだ。
「私達は今日も笑顔!はい、笑って」
ちぃちゃんのほんわかした笑顔と優しい言葉で、真琴の拳は緩んでた。
「・・・うん」
真琴も笑った。