次の日。
罪悪感が胸に残ったまま、麻衣ちゃんの車で事務所に向かった。
ライブの事が、社長さんの耳に入ったらしい。
キッズはいない。
静かな車内だった。
「・・・着いたわよ」
事務所に着いて、あたし達4人は車を降りた。
社内に入り、エレベーターで最上階に向かう。
―――――チーン
ドアが開く。
そのすぐ前が、社長室。
―――――トントン
「はい」
「Rainbowです」
「・・・入りなさい」
少し低くて、でもしっかりした声が聞こえた。
「「「「失礼します」」」」
入ると、社長に椅子に座るように勧められる。
左からちぃちゃん、あたし、真琴、華歩の順で座った。
「さて・・・、この間のライブの話だが・・・」
すると、話を切り出した。
「聞いて驚いた・・・。まさか、加賀谷芸能事務所の人気アイドルであるSweetLoveのファンがRainbowのライブに侵入するとは・・・」
「アイツらは私達が大嫌いなんです。Rainbowが№1アイドルの座を取る事が許せない、と言っていました」
おでこに手を当てる社長さん。
ちぃちゃんが静かに状況を話し始めた。
下唇を噛み締めた。
やっぱり許せない・・・。
聞けば聞くほど思い出す、あの時あの場所の風景。
でも、1番許せないのは、自分自身。
「そうか・・・」
全てが社長さんに伝えられた。
「この事はまだマスコミに知られてない。君達は今後・・・気をつけるように」
その一言でお開きになった。
明日からはまた・・・、笑ってなきゃいけない。
キッズは大丈夫かな・・・。