「OK!すっごくいい!」

その言葉に、顔がパアァっと明るくなる。

「では以上で桜井満奈さん、流川隼斗さん、クランクアップです!」

スタッフさんの一人が大きな声を上げた。

その時、もうとっくにクランクアップしている美鈴と愛地くんが花束を持ってきた。

「美鈴!愛地くん!」
「なんで姉さんまでいるんですか・・・」

不満でも王子様キャラを崩さない。

さすがだ・・・。

「満奈、お疲れ様!」
「美鈴ぅ~!ありがとっ!」

あたしはギュ~っと美鈴に抱きついた。

美鈴はあたしより4つ上だから、お姉さんみたいなんだよね・・・。

って、あたしと隼斗が結婚したらホントになるんだけど!!

何考えてんのあたし・・・。

「隼斗、お疲れ」
「愛地・・・。ありがとうございます♪」

メンバーの前でも、王子様の仮面は外さない。

なんて完璧なのっ!

・・・って思ってたら、不意に隼斗があたしの元へ来た。

「満奈さん、お疲れ様でした」
「こちらこそ!」

あたしの前でも王子様かぁ。

でも・・・。

隼斗が急にあたしの耳元で・・・。

「今日は頑張ったから、ご褒美くれるよな?」

と、悪魔のように囁いた・・・。

“ご褒美”の所だけ強調して。

もう・・・。

一瞬だけ俺様になるんだから、やっぱり隼斗はずるい。

そして、あたしを笑顔にさせてくれる魔法の人だね。