「そんな訳ないじゃん。あたしこそ、隼斗はアリアさんが好きなんだと思ってたよ」
「はぁっ!?ないない。あんな奴、一生お断り」
「じゃあ、なんでキスしてたの?」
「満奈・・・、見てたのか!?」
「うん・・・」
「あれは無理矢理されただけだ。・・・ってなんか言い訳みてぇだな・・・」
「ホントに?」
「当たり前」

凄くホッとした。

あたしだって、隼斗がいないと無理だよ・・・。

アリアさんの所になんか行かないでね?

あたしも今、想いを伝えるから・・・。




「あたしも、隼斗が好きだよ」



魔法みたい。

あたしがそう言うと、隼斗は顔を真っ赤にした。

「・・・可愛い」
「うるせっ」

ふふっ笑うと、照れてそっぽを向いた。

「あたし、素直になれなくて・・・。なかなか隼斗に言いたい事を言えなかったの」
「うん・・・」
「あの日・・・、真琴が来た日。隼斗が真琴の事を呼び捨てしたからあたし、ヤキモチ焼いちゃったの。例え王子様キャラだとしても凄く嫌で・・・、気づいたら部屋を飛び出してた」

苦しくて悲しかった、隼斗のいない日々。

「そんな時、隼斗がアリアさんとキスしてたのを見ちゃって・・・。あたしは遊びなのかなって思った」
「・・・んなわけねぇだろ」

嵐くんにもいろいろ頼ったけど。

「その後、嵐くんがあたしを好きだって言ってくれた。隼斗には悪いけど、この人ならあたしを本気で愛してくれるかな、って思っちゃったんだ・・・。最低だよね、あたし」

隼斗を忘れられるって思ったけど。

「でも、嵐くんと一緒にいても思い出すのは隼斗だけで・・・。ずっとすっと隼斗だけを想ってた・・・」

離れれば離れるほど。

隼斗への想いは増すばかりだったの。