「今どこ?」
『麻衣ちゃんの車でみんなと寮に帰るとこ・・・』
声に元気がない。
分かりやすい奴だな。
「分かった。俺さ、お前に話したい事があるから」
『えっ・・・。・・・うん』
「あっ、別れ話とかじゃねぇから安心しろ」
そう言って電話を切る。
今日は・・・、アイツの誕生日なのに。
笑顔にしてやりたかったのに。
松本のせいで、台無しだ。
10分くらい待つと、
「ただいま・・・」
やっぱり元気のない声で満奈が帰って来た。
ガチャ
「おかえり。・・・満奈!?」
リビングに入ってくるなり、俺に抱きついてきた。
いきなりの事に驚く俺。
「隼斗ぉ・・・」
今にも泣きそうな声。
そんなのも、愛おしく思えてくる。
「何?どした?」
満奈が安心するように、そっと抱きしめる。
「隼斗の彼女は・・・・・・、松本アリアさん?」

