「お疲れさまでした~」

1日の撮影が終わった。

今日も疲れたなぁ・・・。

そう思いながら控室に戻ろうとした時。

「桜井さん?ちょっといいかしら」

ふと、後ろから女の人の声がした。

この声・・・。

あの人か・・・。

「松本さん・・・」

松本アリア。

隼斗の事が好きで、あたしを憎んでいる。

彼女は眉間にしわを寄せながら

「流川くんに近づかないでくれません?」

と、怒りが含まれた声で言った。

「どうしてですか?」

わざととぼけたふりして言ってみる。

「そんなの決まってるじゃない。私が流川くんの“恋人”だからよ」

そしたら、予想外の答えが帰って来た。

“恋人になるから”じゃなくて?

“恋人だから”なの?

じゃああたしは?

あたし“も、恋人”?

違うよね?

あたしがホントの隼斗の彼女だよね?