「ごめんね。急に押し掛けちゃって。ラブラブ中だったんでしょ?」
「へっ?あっ・・・」
「姉貴!何言ってんだよ」
「あははっ。だってホントの事よね?」

玲愛・・・、もとい美鈴さんにはお見通しの様で。

はぁ・・・。

「満奈。ホントにごめんね。私と隼斗のせいで辛い思いしたでしょう?」

そう言って、あたしの頭を優しく撫でてくれた。

でも・・・。

そのお陰で、あたし達は恋人同士になれたから。

今朝の辛い思いも、今はどこかへ飛んでった。

「明日、記者会見を開くの。そこで、私の本名を言うわ」
「えっ・・・!?いいのかよ姉貴!」

焦った様子の隼斗くん。

何かあるのかな?

「本名だと、都合が悪い事でもあるんですか?」

2人に訪ねてみた。

「・・・私ね、ずっと違う自分になりたかったの。でも、名前を変えても違う自分には生まれ変われないって最近思ったんだ」

違う自分・・・。

それが、美鈴さんにとっては“水沢玲愛”だったんだ。

「だから、もう大丈夫。私、流川美鈴で頑張っていくわ」

美鈴さんは、吹っ切れた様に笑った。