はっ、と目が覚めて飛び起きる。 「はぁ、はぁ…」 胸にぎゅうっと右手をあてる。 落ち着け落ち着け落ち着け。 あの頃のあたしはもういなくて、 あたしは今19歳で、 あの人たちはもういなくて、 あたしは… …あたしは、独りぼっちで。 「刹那」 突然左手に温もりを感じた。 「大丈夫?」 「…綾、瀬?」 ぎゅっ 「大丈夫だよ、僕がついてる」 大丈夫、大丈夫… しっかりとあたしを抱きしめながら、何度も繰り返し呟いてくれる。