「ここがお兄ちゃんのおうちー!?」


優志はきょろきょろと部屋を見渡す。


「ちょっとそこ座ってな。
優志はオレンジでいい?」



「うんっ!!」


俺は台所まで飲み物をとりに行った。


結衣は、ちょこんとソファーに腰かけた。



「幸成…、ごめんね?」


「いいから。結衣は紅茶でよかったんだよな?」


「ありがとう…」


結衣は紅茶を受け取ると、微笑んだ。



「お兄ちゃん!!テレビつけていい?」


「いいよ。見たいの見な。」


リモコンを優志に渡すと、子供向けの番組を食い入るように見始めた。



もう、夕方か…。


「なぁ結衣。
旦那から電話とか来ねーのか?」



「多分、しばらくまた帰って来ないと思うから…。今日は大丈夫だと思う。」



「そっか…。

もう夕方だし、晩飯どーする?」


「うーん…。私、作ろうか?」


「じゃあお願いするわ。材料とか、適当に使ってもらっていいから。」




なんか、新婚みてー。


不謹慎かもしれないけど、こういうのって嬉しいよな。



結衣は台所へ行き、晩飯の準備を始めた。


「優志!!ままがご飯作る間に、お兄ちゃんと風呂でも入るか!!」


テレビに夢中だった優志は、勢いよく振り向き


「入るー!!お兄ちゃんと入りたい!!」


笑顔で言った。


「よし。じゃあ湯入れてくるから待ってな。」