「おせーな…。そのうえ寒いし。」


俺はため息をつく。


結衣はまだ来ない。


一時間は過ぎてる。


俺は、携帯にかけるわけにもいかず、ただひたすら待った。






「お兄ちゃーん!!」



優志の声が聞こえる。




振り向くと、そこには信じられないような光景があった。



「ごめんね、お待たせ!!
お弁当食べよう?」




何事もなかったかのようにベンチに座る結衣に、俺は何も言えなかった…。