「ごちそーさまでした。」

前田にからっぽの弁当箱を渡す。

優志の弁当箱を片付けながら

「どーだった?
おいしくなかった?」


不安そうな顔で俺に聞く。

「うまかったよ。人間なんかひとつくらい自慢できるもんがなきゃな。」

「ありがとう!!」


…そんな事言いたいわけじゃなかったんだけど、前田がすごい嬉しそうだからいっか。

つんつん…。

控えめに俺の服の裾を引っ張る優志。

サッカーボールを抱えて、何か言いたそうな顔してる。

「おっ。するかサッカー!!」

俺が立ち上がると、嬉しそうに優志も立ち上がった。


「よろしくね。」

前田はそう言って、俺の弁当箱を片付けていた。