甘い花


幼い日に蜜を吸った花。

どこにでも生えていたはずの、
その花を探して歩いた。


その鉢植えを作って、数日後。

花を持って、僕は歩く。

教えてくれた人の元を尋ねる為に。



「君が花になったとしても、
僕は君を摘まないよ」


チャイムを鳴らし、
出てきた幼馴染にそう告げた。


「いや、意味わかんないから」

呆れたように苦笑いする人。

夢の花に、少し似ていると思った。