「...これ、お前の男からか?」


コクンと頷く


「別れろよ」


携帯を投げやりに渡してくる


だけどあたしは首を横に振る


「なんで?」


竜哉があたしの瞳を覗き込む


「輝が...好きだから...」


「でも、それで?相手はお前だけじゃねえんだろ?」


グサッと来た


分かってても...分かってること言われると...


これ以上にないくらい、心が悲鳴を上げる


それが、竜哉だと余計に...


竜哉の瞳があたしを見透かす


それが怖くて


心が震え出す


「それでも...あたしは...輝のこと...」


...輝のこと...?


「?」


竜哉の頭の上にはハテナが浮かんで見える


あたし、何て言おうとしたの?


輝のこと...何?


好き?


ううん、大好き?



...何かが違う


この感情、大好きで押さえていいの?


...あたし、輝のこと...愛しちゃってるんだ...