「じゃあ俺、そろそろ教室戻るわ」
「うん、ありがと」
「おう、気にすんな。渡辺、呼びに行ってくる」
「よろしくね~」
竜哉は1組の教室を後にした
ふぅ~...
竜哉には感謝しなきゃ
いつも心配かけてたから...
竜哉にいつか恩返ししなきゃ
きっと要らないって言われたとしても
あたしの感謝の気持ちを表さなきゃ
「梨佳ー!!連れてきた!!」
「え?」
連れてきたって何を?
ドアに視線を向けて、固まった
「な...んで...?」
「やっと見つけた」
気怠そうに開けた瞳
背に合わせた綺麗な茶色の髪の毛
ダボッと着こなした制服
「だから朝言ったじゃん?林原君が呼んでたって」
「でも...」
そう、目の前に居るのは舜だった
結構学年で指折りのイケメンだった
亜衣には理解できないって言われたけど
「来るの遅い」
舜だって遅いくせに...