「今度は傷ついて泣くなよ?」


「...え?」


顔を少し竜哉の方に向ける


下から見上げる竜哉の横顔は意外と綺麗だった


なぁんて、好きって感情は一切入ってないけどね~


「舜のとき、お前泣いてたろ?」


「.....」


なんで気付いてんだよ


「毎日見かける梨佳の目が真っ赤だったからな」


頭をポンポンと叩かれる


「今度は泣かされんなよ?」


...もう泣いたよ...


「俺には何でも行って来い。ぶっ飛ばしに行ってやる」


「...プハッ...。それ、超うける」


あたしは机から顔を離して笑った


「やぁっと笑った」


「え?」


「梨佳は笑った方が似合ってる」


竜哉は嬉しそうにあたしの頭を今度は優しく撫でた


「...竜哉はあたしの彼氏かっつうの...」


「俺は梨佳の兄貴だ」


「胸張って言われても...」


全然血、繋がってないし...


でも...


「ありがと、竜哉」


あたしはニコッと笑った


「...おう」


竜哉も小さい頃のような顔で笑った