「ねえねえ、梨佳!!」


「んっ?」


隣で興奮してる亜衣


「そういえば、林原君に彼女出来たんだって!!」


「...え?」


舜に...彼女...?


「でも噂だから本当かどうか分かんないけどね~」


呆れ顔の亜衣


舜に...彼女...


信じたくない事実を突きつけられた


舜とは、初めてあたしが好きになれた人


林原舜


だけど、一瞬で消え去った


雪のように、触れてもすぐに消えて...


そう、雪のようだった


見えるのに、見えない


触れられるのに触れると消えちゃう


そんな存在だった


だけどあたしは今でも舜が好きだった


亜衣にも言ってないけど


「あれっ、梨佳?」


「え?あ、うん」


ちょっと焦った


亜衣の目があたしを見透かした目をしていた


「どうかしたの?」


「ううん、ただ眠たいだけ~」


あははっ、と笑う


だけど笑えなかった