今でも愛しい人



「輝君に惚れたの?」


亜衣は隣で帰ってく彩里の背中を見送りながら言った


「っ...」


そんなことはない


そう言おうとしても言えなかった


「梨佳は恋、多いからね」


「...亜衣でしょ」


「えへっ☆」


「...はぁ...」


ほんと溜息が出るよ


「けど梨佳、輝君に恋しちゃダメだよ?」


「...なんで?」


亜衣を見る


亜衣もあたしを見る


「...なんとなく?」


「ふーん」


対して受け止めてはいなかった


どうでもよかったし


別に輝に惚れるわけない


あたしは...舜が好き


舜しか...好きじゃない...


だけど、少しずつ揺れてる自分の心に気づいた


絶対輝なんか好きじゃない


そう自分に言い聞かせていた