そんなこんなであたし達はそれぞれ、家に帰った


「じゃあな、梨佳」


「うん...。家にちゃんと帰れる?」


「当たり前だ。まっすぐ行けば駅に着くだろ?」


「うん、まあね...」


アバウトだよ、その説明...


「なら大丈夫。帰れるよ」


「それならいいけど...」


輝、迷子にならないでよ?


携帯、充電ないくせに...


「じゃあな、梨佳」


「ん...」


輝はあたしの頭をポンポンとした


「そんな悲しそうに笑うなって」


輝はニコッと笑った


「すぐまた会えるよね...?」


涙目になりながら輝を見上げる


「大丈夫」


頬をそっと撫でる輝


「すぐ会える、絶対」


「...うん!!」


あたしは素直に信じるよ


...いや、信じていた


絶対、すぐ会えることを


また今日みたいに、笑えることを...



あたしが、無責任な行動さえしなければ...


あの日の笑顔は今もきっと、守られていた...