「ねえ、竜哉」
「あ?」
1歩前を歩く竜哉
声を掛けても前を見たまま返事をする
「あたし、変かな?」
「は?」
ようやく振り向いたと思えばまたすぐ前を見てしまう
「浴衣...変?似合ってない?」
「いや...別に...」
はぁ...
竜哉に聞こえないように小さく溜息をついた
このままじゃ輝に会えないよ...
「...お前もやっぱ、女なんだな」
「...へ?」
竜哉がボソッと呟いた
「心配になる。梨佳がどんどん女になっていくと。取り残されてる気分」
「....」
唖然だった
竜哉がそう思ってること、知らなかったから...
「今回の男は絶対離すなよ?」
「ッ...」
ちょっとだけ振り向いた竜哉の横顔にドキッとしてしまった
不覚にも...(シクシク
竜哉の横顔はたくさん見てきたけど
今日みたいに...
そう、切なそうな横顔は初めてだった