『梨佳が思ったこと言えばいいんじゃねの?』


竜哉が言った言葉が頭から離れない


あたしが思ったこと...?


思ったことなんて...想ったことなんて...


あるのかな...?


手が勝手にメールボックスを開いてメールを打つ


輝に、本当の気持ちを、打ち明ける


『あたし、輝よりも最低だよ。来る人も去る人も選ばない。きっと、輝よりも付き合った人の人数は多いよ。今まで...輝に嫌われるのが怖くて。たしかに最初は輝も...他の人と一緒だった。きっとどうせ、すぐ別れるって。でも3か月付き合って...輝ともっと一緒に居たいって、輝をもっと知りたいって。思えるようになった』


『遊びって怖いね?いつか絶対、後悔するよね。相手は本気でも自分は全然見てなくて。ただの人って感じ取ってて。バカみたいだよね、あたしは。輝に嫌われるのが怖くて言えなかったんだ。ごめんなさい
...言い訳にしか聞こえないよね』


これで輝が別れるって言っても、


あたしはそれを受け入れるよ


風邪引いてるから頭がボーっとしてきた...


でも、あたしの意思で打ったから...


ヴーヴー


意外と早くに返事が来た


『知ってたよ、最初から全部。知ってて俺も付き合った。最初は梨佳のことを遊びだって軽く感じてた。でも...いつの間にか梨佳が俺を支えててくれて。俺も梨佳を支えてやりてえって本気で思った。俺も梨佳と一生一緒に居てえ。ずっと...梨佳の笑顔を俺が守りてえ』


「ふっ...」


メールを読んで、泣いた


辛いとか、苦しいとかじゃなくて


あたし自身を受け入れたくれた輝に


感謝してる、本気で


輝、ありがとう


『あたしと出会ってくれて、ありがとう』