竜哉は結局、お母さんが帰って来るまで家に居てくれた


「竜哉君、いつも梨佳のこと面倒見てくれてありがとうね?」


「いいえ。梨佳は俺の妹みたいなもんなんで。妹の面倒見るのが兄の役目ですから」


竜哉は寝てるあたしの髪を撫でる


「竜哉の...バカ...」


「あん時は悪りぃな。全然気づかなかったから」


あたし、一生引きずってやる...


竜哉がデートの邪魔をしたこと


あたしは一生許してやんない...


「じゃあ俺、帰るから。また様子見に来るから」


「うん...」


竜哉は優しく微笑んであたしの家を出て行った


それは夜の9時だった


「ふぅ...」


竜哉のおかげでだいぶ楽になった


だけど、心の傷は全然癒えない


枕元の携帯を開いてまた輝のメールを見る


そしてまた溜息


あたしにどうしろって...


...これを考えるのも何回目かな...


最近、これしか思ってない...


ヴーヴー


携帯が震えた


『梨佳!!風邪、大丈夫?!』


亜衣からのメールだった


なんで亜衣があたしが風邪って知ってるのさ...?