今でも愛しい人



「梨佳、チャリか?」


「....」


何も答えないあたし


「まあそうか。でもチャリ漕げる体調じゃねえだろ?」


「....」


やっぱりあたしは答えない


「よいしょっと」


竜哉のチャリに乗せられる


「ったく...そんなに俺が言ったこと、傷ついたか?」


竜哉があたしの涙を拭う


「竜哉の...バカ...」


「へいへい。文句はお前が元気になったら聞くから。出発するからな」


竜哉はそう言ってチャリをこぎ出した


あたしは力なく竜哉の背中に抱き着く


これが輝だったら...


笑ってくれるかな...?


輝...ごめんなさい...


「降りろ」


「うん...」


ふらつく足を地につけ、チャリから降りる


「大丈夫か?お前ん家、誰も居なさそうだけど...」


車がない


そうだ...


今日は平日だからお父さんもお母さんも仕事で居ないんだ...


「1人で大丈夫か?俺、一緒に居ようか?」


「...でも竜哉...大丈夫なの...?もう6時になるよ...?」


「俺ん家も誰も居ねえから大丈夫」