すきま風




テスト期間中は賑わう自習室も一学期始めの今は人も少ない。

螺旋階段を昇り、二階の書棚の奥へ歩く。床は絨毯なので音はしない。僕はこの赤い絨毯は上履きの裏に毛玉が付くから好きじゃない。


二階の右奥にある螺旋ではない階段を昇る。三階には書庫兼閲覧室がある。


書棚に入っているのは卒業アルバムに毎年発行している学校案内、新聞部の創立時からの新聞、文化祭のパンフレット、ポスター、担任の先生が自主的に出している学級通信まで。

全て大切にひっそりと書棚に収まっている。


ひとつひとつ丁寧なファイリングと手入れ、やったやつの気持ちが伝わる。






―ってもまぁこんな誰が見るかもわからない資料片っ端から集めてるやつなんて、あいつだけだろうけど。