だから、私と泉くんの仲を心配してくれている。梓曰わく、泉くんは「ムッツリ」ってやつらしい…。いや、どんな泉くんでも好きだからもしそうでも気にしない。
大丈夫だよ、と笑えば、梓はにっこりと笑顔を返してくれてまたコーヒーを飲む。
「ならいい。あいつ高校の時から無口だし、仁奈と上手くやってんのか心配なのよ。」
「ほんとに大丈夫だよ。泉くん(意地悪するけど)優しいし。」
私がそう言って梓を見れば、頷いて頭を撫でてくれる。
それから、しばらく二人で会話を交わしながら昼食をとり。授業を受けに教室へと戻った。
…泉くんとは専攻している科が違うから、大学内ではあまり会わない。
授業が終わり、帰宅するときに門前で待ち合わせしてそこから一緒に帰るのだ。
――…だから余計に、梓の話を聞いていて思ったのが、高校が同じとは羨ましいということ。
だって、私は二人でいるときの泉くんしか知らない。大学内での泉くんは知らないのだ。