即席のパスワード




そうは思ってみても、やっぱり送れず終いな俺。妥協して取り敢えず文面を完成することが出来たのは、それから3時間以上経過してからのこと。



そして、そのメールさえも今送ろうかどうかで酷く悩んでいる。




「………、自己中。」


だと思うそのメールの内容。さて、これを見て仁奈は返信か電話をくれるだろうか?

ある意味賭けに近いと感じる、自身がこれから送ろうとしているそれ。



…返事、返ってこなかったら最終手段は三上ん家に行くかな。いややっぱりそれはない、それはまず有り得ない色んな意味で。


と言うよりも、絶対仁奈が三上に相談するはずだから。彼奴が後から五月蝿いだろう事は容易く想像できた。



まあ、それは俺の責任だから些か仕方がない。


溜め息を軽く吐きながらも、俺は送信ボタンを流れにのせて押してやりメールを彼女に向かって送信した。




「(…ほんとに、)」

俺ってつくづく、仁奈に惚れてるんだと思う。