ぽかんと掌の上にのせられたケースを見つめ、それと泉くんを何度も交互に見る。あれ、梓にもこんなんしたな。


「あ、開けていい?」



上目で見つめそう聞いた私に泉くんは小さく頷く。ゆっくり、ケースを開けて中にあったそれを手に取り私は泣きそうになった。いや、泣いた。


ケースの中に入ってたのは、華奢なシルバーのチェーンに揺れる丸い色とりどりの小さな石がくっついたお洒落なネックレス。




「仁奈、それ、見てたから。」

泉くんがぼそりと呟いた言葉を聞いて、さらに涙が溢れた。確かにこれは私が雑誌で可愛いと言ったもの。覚えててくれたんだと嬉しくてたまらない。



「泉くん、ありがと…!」

「ん。貸して。」


ほんの少しだけ頬を赤くして、泉くんはネックレスをつけてくれた。



Happy birthday to you!
゙お誕生日おめでとう!゙



プレゼントは、泉くんの優しさがこもったネックレス。


「(まあ、首輪かな。)」