あ、梓に貰った香水つけてみたんだっけ…。
やっぱりいい香りだなこれと頬が緩むのが自分でも分かった。そんな私を驚かせたいのだろうか、我が彼氏様は。
「何笑ってんの。」
急に背後から鼓膜を叩く甘い声にびくり、肩を上げながらも頬を赤く染め振り返る。
「ど、どうしたの…?」
「別に。仁奈がにやにや一人で笑ってるから締まりがないしみっともないって言いに来ただけだけど?」
「…(意地悪。)」
この前は、あんなに優しかったのに。あの泉くんはどこへやら…。
緩く睨んでみるが鼻であしらわれてあえなくダウン。そんな姿も格好いいから何も言い返せない、狡い、狡い。
もう珈琲出来るから、ソファー戻っててと言った私。泉くんは、数秒の沈黙を落としてうんと呟いた、のだが。


