「ううん。まだ、今日は会ってないから。」
「なんだ。じゃあブランド物でも強請りな。」
頬杖をつき、悪戯っ子の笑みを私に向けてくるから私は顔の前で両手を千切れるほどに振る。
プレゼント、かと一瞬思ったけど。私はそれよりも――――――――
泉くん会えることが一番嬉しいから。
そう呟いて笑えば、梓に「御馳走様」と笑われたのだった。
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「泉くん、珈琲淹れるけど呑む?」
「うん。」
私はソファーに座りながら本を読む泉くんをキッチンから見つめる。
相変わらず、本のページをめくる仕草一つ一つが綺麗な泉くん。羨ましい。
コーヒーメーカーをセットしていて、ふと香るフルーツの控えめな甘さを孕んだ香り。