大学のお昼休み。私は梓と一緒にキャンバス内にあるカフェで昼食をとっていた。

ここのランチセットはドリンクとデザートまでついてるのに安くて美味しいと聞いていたけど、来たことはなかったから今の私の気分は上々。



私はパスタセットでデザートは木苺のタルト、梓はオムライスセットでミルクレープ。


暫くして、運ばれてきた美味しそうな料理に2人でがっつく。本当、美味しいと頬が緩む私の名を梓が呼ぶ。



「あ、そだ仁奈。」

「ん?なにー?」


梓はグロスがのる艶やかな唇を綺麗に持ち上げ微笑むと、バッグの中から小さな箱を取り出した。

そして、それを私に差しだし―――――



「ハッピーバースデー!」


満面の笑みを浮かべた。あ、そっか…今日私の誕生日だったんだ。