瞬間的に私の顔は一気に熱を持ち。泉くんから距離をとりソファーの背もたれへと身を寄せた、のに。


今日の泉くんは、ついでに悪戯っこのようだ。にんまりと唇に弧を描きすかさず私に詰め寄る。逃げ場が無くなった私はただ慌てふためくだけなんて、滑稽。



それを見てくすくすと笑う目の前の彼氏様に、私は金切り声で酷いと叫ぶが。ウルサイと言われてしまう(なんで私が怒られてるの?)


泉くんは、ソファーから腰を上げると私をゆったりとした動作で見下ろす。



小首を傾げて見上げた私の頭に、大きく温かい手がのる。


「何か作ってあげる。」

何が食べたいと微笑む泉くんに私もふにゃりと笑みを浮かべて見せ、何でもいいよと言の葉を紡いだ。



泉くんが作ってくれるものなら、何だって食べるよ。

だって、何よりも、私を心配してくれた泉くんの気持ちが嬉しいんだもん。残すなんて罰当たり誰がするもんか!