――――それから、私の部屋へと二人で入り今は肩を並べてソファへ腰掛けている。
口から出てきそうなほど暴れる心臓が苦しい。いや、ほんとに。
「……あの、泉くん、」
ん?と返答をしてくれる彼はすごく優しい。だからこそ、この罪悪感は消えない。私は頭を下げると謝罪の言葉を告げた。
それに少し驚いた顔をしてどうしたの?と問う泉くんの顔を見ることができない。
「私、植村さんに、泉くんの彼女は自分だって胸を張れなかった…。」
「…。」
「だから、泉くんに私は相応しくないって言う植村さんに何も言えなかった…。」
「…。」
ごめんなさい、もう一度そう言の葉を紡いだ私の頭上へ響いたのは怒りが籠もったような声ではなく。だから?とでも言いたげな軽い声。
「そんなん、俺はどうでもいい。」
どうでもいいって…、顔を上げた私は泉くんを呆然と見つめ目を瞬かせた。
「仁奈は俺に相応しくないって言われたら、簡単に諦めるわけ?」