(side:泉)
さっきから、何度電話してもあのふわりとした声が電話口から聞こえることはない。
どうしたんだろうか、そう思い溜息を吐き出した瞬間。
――――そいつは俺の後頭部を容赦なくひっぱたいた。
「相原!!あんた、最低!!!」
「……いきなり何すんだ三上。」
キンキンと耳につく甲高い声で俺を怒鳴りつける仁奈の友人、もとい俺の元同級生、三上は鋭く光らせた目で睨みつけてきた。
殴られた後頭部が鈍い痛みをもち、さすがに腹が立ったがその鋭い目が不安そうに揺れていることから俺は何かを悟った。
と言うよりも、こいつがここまで怒ることと言えば――――――――…
「仁奈がどうかしたのか?」
そう俺が問えば、まるで般若。
顔を怒りに歪ませて、突如俺の胸板を拳でついてきた。こいつはまず手を出す癖を治した方がいい。
「仁奈を傷つけたら、承知しないって言ったはずよ!」
「…、」


