即席のパスワード




「私の言葉一つで引くような子なら、相手にならないけど。」

フッと笑い、私を見据えた。



「負けたくない。私も相原くんが好きなの。」


そう、ハッキリ言い切った植村さんの瞳は真剣だった。



「だから、相原くんの隣にいる仁奈ちゃんが羨ましい。…゙そこは私の居場所゙だったのに。」

「……、」

「私本気よ。」



…植村さんは、強い視線を私に向けている。それはやはり鋭いものだけど、真っ直ぐな気持ちからということはヒシヒシと伝わる。


グッと胸の奥が何かに締め付けられる感覚が私を襲う。



俯いた顔を上げることができない。涙は出ないけど、鼻の先にツーンとした痛みは駆ける。植村さんの視線が、言葉が、重くて。

息苦しさを感じずにはいられない。



「彼と私、高校の時同じ委員だったんだけど。よく二人でいること多くでお似合い゙って言われてたの。」

「…。」

「相原くんの隣にいるのは、私。」