勿論、それとなく泉くんにお家行きたいアピールはしている。
けど私が言い切る前に「だめ」と断られてしまい只今連敗記録更新中。
前にお邪魔したのいつだっけ?あれ、確か忘れ物の財布届けたとき…去年の夏じゃないか…っ!
どうしよう何かすごい悲しいんだけど。
と。
溜め息を吐きながら机に手をつきゆっくりと立ち上がった私の気配を感じて、眼鏡の下の瞳が上目に私を見る。
「終わったの?」
「うん。なんとか!ありがとう泉くん。」
「別に。まあ、あれくらい解けないんじゃ先が思いやられるよ。」
「…。」
…出た、泉くんの意地悪発言。ここで負けちゃだめ、負けないぞ私……!負けたら泉くんの思うツボだ。
「あれ高校生レベルの問題のはずなんだけど。授業でちゃんと勉強したの?」
「…した、もん。」
「ふーん。その割には基礎からまったく出来てないけどね。」
「…。」
これ、ちょっとした意地悪なんてレベルじゃないよ。


