即席のパスワード




「わ、私が言うから…!それに、私が植村さんと会うことなんて、そうそう無いから大丈夫だよ!」


あはは、と。
笑う口角は引きつっているだろうけど、無理矢理引き上げる。

そんな私を見た梓は、恐ろしい程鋭かった目を心配そうなそれに変え。



「ならいいけど…。無理はしないでよ?」

「うん。ありがとう梓。」


そう微笑んだ私に、梓も柔和な笑みを返してくれた。



大丈夫、きっと…。

それに泉くんだって私に「好き」って言ってくれてるじゃないか。

大丈夫だよ…ね?



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…゙大丈夫゙、そう思うのに。頭を過ぎるのは不安ばかり。胸を渦巻くのはどうしようもなく黒いものばかり。

今は、私の部屋で泉くんと二人きり。


今は私が淹れた珈琲を二人、ソファに並び腰掛け飲んでいる。

の、だが。
先程鳴った泉くんの携帯の着信相手が、私の焦燥感を酷く駆り立てる。