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「じゃあ、またね。」
「失礼します。」
ひらり、と綺麗に微笑み手を振る植村さん。それに会釈を返す泉くん。
踵を返して歩き出す瞬間、植村さんば宣戦布告゙と言わんばかりに口角を引き上げた。
勿論、そう見えるのは私だけだと思う。泉くんは「行こうか」と囁き歩き出す。
その後ろ姿へと駆け寄り、シャツの裾を掴む。
「どうしたの仁奈?」
「……ねえ、泉くん…。」
ん?と微笑む泉くんの顔を見上げ。
「…好き、」
「……仁奈?」
「……。」
「………俺も、好きだよ。」
泉くんは不思議がりながらも、私の頭を撫でながら囁いてくれた。
゙I will leave the body to the language.゙
その言葉に、身を委ねよ う。
今は、泉くんの言葉があればそれでいい。
不安を消してくれる、貴方がいればそれだけでいいんだ…。