即席のパスワード




大丈夫だよ、と返信して私は二つ折りのそれを閉じる。

数分待っても、返信は返ってこないからおそらく授業だろう。


あー…、暇だ。

そう声に出してぽつりと呟けば、何だか虚しさがより一層増したような気がする。これから一人の時に何か呟くのはやめよう。



ぼーっと、天井を見つめながら数分。だんだんと瞼が重たくなり激しく睡魔に襲われた。私はそれに逆らうことはせず、意識を手放した。





「、な、仁奈、」

「…ん、」


私は、肩を揺らされたことで夢の中から意識を引き戻される。

まだ夢見心地な私の名を呼ぶ甘い声。起きなきゃいけないのに、それは再び私の睡魔を目覚めさせる。



と。

「俺が起こしてるんだから、起きなよ。」


何かが額に触れたと感じた瞬間、それは勢い良く弾かれ鈍い痛みが額へ走らせる。



「ったあ…!?」


何事だと驚き飛び起きれば、上から私を覗き込むようにして仁王立ちの泉くんの姿。