「単刀直入に言えばいいんじゃない?」
「…あ、」
「どうせ俺もう知ってるし。」
「……好き、です。多分…。」
「何ソレ。」
「…ごめんなさい。」
「謝らなくてもいいけど。ちゃんと訂正してもらうし、ね。」
相原くんは、ふっと悪戯に笑って見せ、ぐっと私との距離をその長い足で詰める。
真上に近くなった相原くんの顔を、ゆっくり見上げた私。わ、あ…眩しい。
――彼が、眩しかった。
「俺のこと、ちゃんと好きになってもらうから。」
「相原くん…」
「あ、名前で呼んで。」
泉くん、と私が呟けば彼は嬉しそうに瞳を細めた。そして細く綺麗な指は髪から下へ、低体温のそれは私の指へと絡められるように繋がれた。
どきり、跳ねた心臓。先程まで落ち着いていた心臓は、今更だが狂ったように暴れ出す。
恥ずかしくなり、不自然に(顔ごと)逸らした視線は当たり前だけど気づかれてしまい。
頭上から、くすりと綺麗な音が聞こえた。