さっきの微笑んでくれた顔は、すごく綺麗だったのに…。
あ、勿論この人の顔自体が端正で綺麗すぎるんだけど。さっきの笑顔は何て言うかな…、自然な感じで、もっと見たいって思った。
「あ、仁奈、こいつ同じ高校の相原泉。」
「…はじめまして。」
「は、じめまして…!間中仁奈、です。」
梓によって紹介された男の人は、感情をよみとりにくい無表情を張り付けたまま小さく頭を下げた。
私もすぐに自身の名を名乗り、ぺこりと腰を折った。
と。相原という人は、とても小さく小さく私を見下ろし微笑んだ。
え?と声にはならなかったが目を瞬かすと、また、くすりと艶やかな笑みを浮かべた。
「…じゃあ、゙まだ。」
「あ、サンキュー相原。」
くるり、踵を返して歩き出した彼の後ろ姿が見えなくなるまで、私はただただ見つめていた。
頭を占領するのは、立ち去る前に見せた、あの酷く綺麗な微笑み。
……相原、泉。
また、会いたい。そう思ったんだ。


